
出っ歯を気にしており、何とか治したいと思っている人は数多くいることでしょう。
出っ歯は前に飛び出した前歯をひっこめることで治りますが、実際の術前・術後のビフォーアフターの写真を見ないことには、どのようになるのかイメージがわかない人も多いでしょう。
そこで、この記事では現役歯科医である筆者が出っ歯の歯列矯正を行ったビフォーアフターの写真を紹介しながら、解説をしていきます。
ぜひ歯列矯正を決断をする際に参考にしてみてください。
歯列矯正でどうやって出っ歯を治すのか
大人と子どもで出っ歯の治し方は異なります。
子どもの場合はこれから先も骨格が成長していくので、その成長を活かして治していきますが、大人の場合は歯と骨格を実際に動かして治していくのです。
それぞれについてご説明します。
大人(中学生以上)の場合
大人の場合は出っ歯になっている前歯を引っ込めることで矯正します。
前歯を引っ込めるためにはまず、小臼歯という前歯と奥歯の間にある歯を抜きます。
その後、そこにできたスペースに前歯を下げることで、出っ歯を矯正するのです。
出っ歯になってる前歯を引っ込めるためには小臼歯という前歯と奥歯の中間にある歯を抜いて、そこに出来たスペースを利用して前歯を引っ込めるという方法をとります。
マウスピースやワイヤーを使用したり、歯の裏側に矯正器具をつけたりすることで、矯正が可能です。
子ども(小学生以下)の場合
子どもの出っ歯は、3つのタイプに分けられます。
- 上あごの前歯だけが前に飛び出ている
- 下あごの骨格が引っ込んでいる
- 上あごの骨格が前に出ている
前歯だけが前に飛び出ている場合は、ワイヤーやブラケットなどを利用して、前歯の角度を変えたり、前歯を下げて対応します。
上あごや下あごの骨格の問題である場合は、骨格ごと下げたり、前に出したりすることで対応するのです。
ちなみにもっとも多いのは、下あごの骨格が引っ込んでしまっているパターンであり、実際は上あごの前歯が飛び出ているわけではない場合が多くなっています。
ケース1 広島県・呉さんの場合
before
上顎・下顎の前歯がデコボコとしており、上下の真ん中も一致していません。
また、噛み合わせを見ると隙間が各所に生じていますし、横から見ると上顎の前歯が飛び出していることがわかります。
after
上顎の前歯の向きが整えられ、きれいになりました。
横から見ると、上顎の前歯の傾きが整えられ、下顎の前歯との関係も改善されました。
ケース2 島根県・島田さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中の歯)がかなり前に出ており、隣の側切歯という歯が内側に隠れています。
after
上顎の中切歯の前方への傾きが解消され、側切歯もきれいに並んでいます。
違和感のない自然な歯並びになりました。
ケース3 広島県・廣田さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)が左右ともにねじれて、中心側が内側に傾いています。
after
上顎左右の中切歯の傾きがなくなり、自然な歯並びになりました。下顎の前歯との噛み合わせもきれいに整えられました。
ケース4 山口県・和野田さんの場合
before
上顎前歯が全体的に前に飛び出ており、出っ歯になっています。
下顎の前歯と噛めない状態です。
after
上顎の前歯の前方への傾きが解消され、下顎の前歯と違和感のない傾きになりました。
下顎の前歯とかめるようになったのです。
ケース5 山口県・山田さんの場合
before
上顎の左右の中切歯(真ん中側の歯)が両方とも外側に出て、出っ歯になっています。
そのため、口を閉じても前歯が出た状態になっています。
after
上顎の左右の中切歯の位置が隣の側切歯と並び、内側に入りました。
お口を閉じたときにまだ歯が見えますが、隣の歯と同じ程度になっていますので、出っ歯が解消されたことがわかります。
ケース6 愛媛県・愛田さんの場合
before
上顎の前歯が前に飛び出しており、下顎の前歯との間が広くなっています。
after
上顎と下顎の前歯の隙間が少なくなり、より自然な噛み合わせになっています。
ケース7 山口県・西田さんの場合
before
上顎の左右の中切歯(真ん中側の歯)の傾きが強く、出っ歯になっています。
after
上顎の中切歯の傾きがなくなり、隣の側切歯と違和感のない傾きで揃っています。下顎の前歯との噛み合わせも良好になりました。
ケース8 広島県・栗田さんの場合
before
わかりにくいですが、上顎の中切歯(真ん中側の歯)が真ん中に向かって傾き、少し出ているために下顎の前歯との間に隙間ができています。
after
上顎の左右の中切歯の傾きがなくなり、隣の歯と比べて違和感のない並びになりました。下顎の前歯ともかめるようになっています。
ケース9 東京都・元田さんの場合
before
上顎側切歯(真ん中から数えて2番目の歯)が内側に入り込み、一部が中切歯(真ん中の歯)に隠れています。
after
中切歯と側切歯の並びに違和感がなくなり、上顎が全体的に自然な感じになりました。
ケース10 岡山県・蘇我さんの場合
before
上顎の前歯がかなり前方に傾き、下顎の前歯と噛み合わないくらいの出っ歯になっています。
after
上顎の前歯の傾きが解消され、下顎ときれいに噛み合わせられるようになりました。上下共に歯並びが自然になっています。

ケース11 鳥取県・藤外さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)がかなり前に向かって傾いており、下顎の前歯と全く当たっていません。
隣の側切歯と言う歯は、反対に内側に入っており、下顎の側切歯の方が外に出ています。
after
上顎の中切歯の傾きが治り、下顎の前歯とかめるようになりました。側切歯も下顎の側切歯よりも外側になり、中切歯・側切歯ともに歯並びが自然になっています。
ケース12 石川県・石元さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)の傾きに左右で違いがあり、下顎の前歯に対してかなり前に出ており、いわゆる出っ歯になっています。
左隣の側切歯は、内側に入り込み隠れてしまっているのです。
下顎の前歯は、デコボコとした並びになっており、いわゆる乱杭歯状態で、上顎の前歯との噛み合わせが不安定になっています。
after
上顎の中切歯、側切歯の傾きと並びが良くなりました。下顎の前歯の並びも良くなりデコボコとした感じがなくなっています。
上顎の前歯の傾きがなくなったことで、下顎の前歯との噛み合わせが自然な感じになりました。
ケース13 青森県・青林さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)の位置が前にずれており、傾きも急になっています。
そのため、下顎の前歯よりもかなり前に出た歯並びになっているのです。
もちろん、下顎の前歯と当たっておらず、隙間ができています。
after
上顎の中切歯の傾きが隣の歯と同じような角度になり、出っ張った感じがなくなりました。
ケース14 山口県・内口さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)と隣の側切歯が前側に向かって傾いており、下顎の前歯と比べてかなり前に出っぱった歯並びになっています。下顎の前歯とは全くかめない状態です。
after
上顎の中切歯と側切歯の傾きが整えられ、出っ張り感がなくなりました。
ケース15 島根県・細山さんの場合
before
上顎の前歯がデコボコとしています。
左の中切歯(真ん中側の歯)は隣の側切歯や、右の中切歯と比べて内側に入っていました。そのために隣の歯の前方への傾きの強さが強調され、より出っ歯な印象になっています。
after
上顎の前歯の傾きが全て整えられ、自然な歯並びになりました。
ケース16 高知県・荒川さんの場合
before
上顎の前歯が全体的に科学よりも前に傾いており、下顎の前歯との間に広い隙間ができています。
after
上顎の前歯の傾きが整えられ、歯の並びが自然な感じになりました。
下顎の前歯と比べても違和感がなく、大変きれいになっています。
ケース17 徳島県・中井さんの場合
before
上下の前歯の並びがデコボコとしており、上顎の前歯の一部は内側に入り込み、下顎の犬歯は中心方向に向かって倒れ込んでいます。
横から見ると上顎の前歯がかなり前に出ている上、上下共に前方へ向かって傾いています。
after
上下顎の前歯の噛み合わせ関係が理想的な形になっています。内側に入り込んでいた歯は前に出され、傾いていた下顎の犬歯も傾きが補正されました。
上下の前歯の横から見た傾きも整えられ、真っ直ぐな噛み合わせになっています。
ケース18 香川県・一見さんの場合
before
上顎の右側の中切歯(真ん中側の歯)の傾きがずれており、下顎の前歯よりも前にずれています。
after
上顎の中切歯の傾きが内側に向かうよう整えられ、自然な歯並びになりました。
ケース19 愛媛県・門宮さんの場合
before
上顎の中切歯(真ん中側の歯)と隣の側切歯の傾きがかなり外側に向かってきつく、下顎の前歯が隠れてしまっています。
after
傾斜のきつかった上顎の中切歯と側切歯が、自然な傾きになりました。
ケース20 埼玉県・佐東さんの場合
before
上顎の前歯が全体的に前にずれており、下顎の前歯と隙間ができています。
after
上顎の前歯の傾きが内側に向かって整えられ、下顎の前歯との隙間がかなり減りました。
歯列矯正で出っ歯を解消しよう
出っ歯で悩んでいる人は、なかなか笑えなかったり、自信をもって人と接することができなかったりとかなり悩んでいる方も多いでしょう。
出っ歯は歯列矯正をすれば治せますので、ぜひ早めに治して、悩みを解消してください。