
「マウスピース矯正ってどのくらいの値段で受けることができるの?」
「マウスピース矯正のメリットとデメリットを知りたい!」
多くの人が歯を美しくするために行っているマウスピース矯正ですが、どのくらいの値段で矯正できるのかイマイチわかりませんよね。
矯正だからそれなりの値段になってしまうのは仕方ないのですが、ワイヤー矯正やセラミック矯正と比べて高いのか安いのかは気になるところでしょう。
そこで今回の記事では、
- マウスピース矯正の値段相場と特徴
- マウスピース矯正のメリットとデメリット
- マウスピース矯正で起こり得る失敗
- マウスピース矯正の失敗を回避する歯科医院選び
について紹介していきます。マウスピース矯正に保険適用かあるか否かなど細かな点もわかりやすく解説するので、最後まで読んでみてください。
記事を読み終えた頃には、あなたにマウスピース矯正が向いているのかどうかが判断でき、マウスピース矯正を失敗させないコツもイメージできるようになっているはずです。
マウスピース矯正の値段相場と特徴
それでは早速、内容に入っていきましょう。まずはマウスピース矯正の値段相場と特徴を解説します。
ここを読むことで、値段から方法までマウスピース矯正についての大まかな理解ができるはずです。
マウスピース矯正の値段相場
マウスピース矯正の値段は施術を受ける歯科医院により幅があります。そのためここでは他の矯正方法と比較する形で値段相場を紹介しましょう。
以下の表を見てください。
矯正方法 |
費用相場 |
矯正機関 |
ワイヤー矯正 |
50万円~100万円程度 |
2年~3年 |
裏側矯正 |
100万円~150万円 |
2年~3年 |
マウスピース矯正 |
30万円~60万円程度 |
1年半~2年 |
セラミック矯正 |
10万円~20万円/1歯 |
1か月~2か月 |
このとおりマウスピース矯正はワイヤー矯正やセラミック矯正と比較しても安い矯正方法であるということができます。
セラミック矯正は歯1本ごとに料金が決まっているので、1本を矯正するならマウスピース矯正よりも安くなりますが、4本~5本以上を矯正するならばマウスピース矯正と同じくらいのお金が必要になります。
1本ずつ矯正するセラミック矯正と違って、マウスピース矯正では複数本の歯を一度に矯正することができるためお得です。
このようにマウスピース矯正の値段相場は30万円~60万円であり、他の矯正方法と比べても安いものということがわかりました。
保険適用の有無
マウスピース矯正が安いといっても30万円~60万とまとまったお金が必要になります。学生や社会人になりたての人には決して簡単に用意できる金額ではないでしょう。
それではマウスピース矯正に保険は適用されるのでしょうか?保険適用となると3割負担でよいので実際に支払う金額をさらに安くすることができます。
しかし残念ながら、一般的にマウスピース矯正に保険は適用されません。
ただし以下のように治療しなければ生活に大きな支障をきたす病気や障害がある場合は、保険適用の形でマウスピース矯正を行うことができるケースもあります。
- 顎の変形などの先天的疾患がある
- 顎や顎の周囲に怪我がある
先天的な疾患については厚生労働省が定めた23種類に保険適用がなされるので、歯科医院で医師と相談してみてください。
マウスピース矯正の特徴
原則として保険適用ができないとわかったマウスピース矯正ですが、そもそもどういった仕組みで歯並びを綺麗にするものなのでしょうか。ここではマウスピース矯正の仕組みと特徴について紹介します。
マウスピース矯正はあなたの歯並びに合わせて作ったマウスピースを用いて、少しずつ歯の位置をずらして矯正する方法です。
つまりマウスピースを装着することで、歯に力がかかるように設計されているのですね。そのため時間こそかかりますが、少しずつ歯が正常な位置へと移動していきます。
マウスピースを装着して矯正をするため、ワイヤー矯正と違い自由に取り外すことができます。しかし取り外している時間が長いと、それだけ矯正効果が薄れる点には注意が必要でしょう。
このようなマウスピース矯正はワイヤー矯正ほど高い矯正効果を持ちません。そのためあまりに歯並びが悪い人には向かないのです。
しかし出っ歯や八重歯も含めて幅広い歯並びの矯正に対応することはできるので、あなたの歯並びを矯正する力があるか否か医師に確認してみてください。
マウスピース矯正にある痛み
マウスピースはプラスチックで作られるため、ワイヤー矯正の金属器具のように口腔内や舌を傷つけることはまずありません。
しかし歯に力をかけてずらす仕組みはワイヤー矯正と同じなので、以下のような痛みが起こる場合もあります。
- マウスピース装着時の痛み
- 食事の際の痛み
これらは歯の位置をずらして正常にする矯正と切っても切り離すことのできないものなので一定の覚悟が必要です。
ただし痛みを過度に我慢する必要はなく、痛みがある場合は医師から痛み止めを処方してもらうなど対処が可能です。そのため痛みについて過度に心配する必要はありません。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
マウスピース矯正について確認したところで、以下ではメリットとデメリットを改めて確認してみましょう。その上で、マウスピース矯正がどのような人に向いているかを解説します。
マウスピース矯正のメリットとデメリットをまとめると以下のとおりになります。
マウスピース矯正のメリットとデメリット |
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メリット |
デメリット |
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ワイヤー矯正とセラミック矯正はあなたの意思で矯正を中断することが難しくなりますが、マウスピースは自由に取り外しができるのでそれが可能です。また食事制限やスポーツの制限がない点も大きなメリットですね。
一方で自由に取り外せるがゆえに、あなたの意思で装着し続けなければならない大変さはあります。またワイヤー矯正ほど幅広い歯並びに対応できない点にも注意が必要です。
こうしたデメリットについてはカウンセリングの段階で医師によく確認しておきましょう。
マウスピース矯正が向く人
このようなマウスピース矯正は以下のような人に向いています。
- なるべく安く矯正したい人
- 矯正していることを目立たせたくない人
- 過度に歯並びが悪くない人
- 食事制限を避けたい人
- 激しいスポーツをしている人
- 金属アレルギーの人
いかがでしょうか?あなたにマウスピース矯正は向いているでしょうか?矯正できる歯並びについては素人が簡単に判断できないため、まずは歯科医院で医師に相談してみてくださいね。
マウスピース矯正で起こり得る失敗
ここまで値段をはじめとしてマウスピース矯正について解説してきました。あなたも自分に合うか否かも含めてマウスピース矯正の大まかなところを知ることができたのではないでしょうか。
ここからはさらに深い知識をみていきましょう。まずはマウスピース矯正に起こり得る失敗について紹介します。
マウスピース矯正は方法自体に大きな危険のあるものではありません。しかし失敗するリスクがゼロということもできないのです。
これは他の矯正方法についてもいえることですが、こうしたリスクを正確に把握してこそ正しい判断で矯正方法を選択することができるのですね。
かみ合わせの改善ができなかった
マウスピース矯正で起こり得る失敗に、かみ合わせの改善ができなかったというものがあります。そして、これは主に医師の技術が未熟なために起こるのです。
つまりマウスピースを作成する段階で歯を美しくすることだけを意識してしまい、かみ合わせにまで気が回らないのですね。
こうした失敗は技術と実績の高い医師を見つけることで回避することができます。そのためマウスピース矯正を始めるに先立ってカウンセリングを受ける際に症例の数などを確認してみましょう。
矯正中の痛みに耐えられなかった
続いて起こり得る失敗に、矯正中の痛みに耐えきれずマウスピースの装着をやめてしまうというものがあります。
先述したとおりマウスピース矯正にも痛みがあるため、全くの無痛であると思って施術を受けると痛みに驚いてしまうのです。
マウスピース矯正による痛みについては、以下の3つの方法で対処していきましょう。
- 鎮痛薬の使用
- 食塩水でうがいをする
- 歯茎のマッサージ
鎮痛薬については医師の処方を受けて手に入れても良いですし、市販のものを使用しても構いません。しかしマウスピース矯正によって発生している痛みであるならば、まずは医師に相談するのがおすすめです。
矯正後、奥歯が当たらなくなった
こちらもかみ合わせに関係しますが、マウスピース矯正が完了した後に上下の奥歯が当たらなくなってしまうケースがあります。
こちらもマウスピースの設計が甘いために起こる失敗なので、技術と実績の高い医師を見つけることで回避しましょう。
マウスピース矯正の失敗を回避する歯科医院選び
マウスピース矯正における失敗については、技術と実績の高い医師のいる歯科医院を見つけることで回避できます。
つまりマウスピース矯正の失敗は結局のところ未熟な医師による不十分な治療で起こっているケースが多いのですね。
そのため以下の3つのポイントから適切な歯科医院を見つけましょう。
専門医・指導医・認定医のいる歯科医院
専門医・指導医・認定医は高い技術を有する医師に与えられる資格です。それぞれ以下のような違いがあります。
名称 |
特徴 |
人数(全国) |
認定医 |
1990年に創設された制度で、矯正歯科医療の技術の向上を目的としている。学会が認めた大学病院や矯正歯科医院にて5年以上の臨床経験を有し、学会発表などで審査に合格した者に与えられる。 |
約3,000人 |
指導医 |
認定医を目指す研修医を指導するための資格。大学の矯正歯科で3年以上の教育指導歴が求められる。 |
約600人 |
専門医 |
2006年に創設された制度で、矯正歯科の技術をより高く発展させ、かつ研修医の指導を高いレベルで行うための資格。認定医の中から、試問審査に合格し、かつ学術大会で症例報告をした者に与えられる。 |
約300人 |
こうした医師のいる歯科医院であれば適切な効果をもつマウスピース矯正の施術を受けることができるため安心なのです。専門医は数が非常に少ないので、まずは認定医のいる歯科医院から探していきましょう。
多くの症例治療例を持つ歯科医院
先ほども触れましたが、マウスピース矯正に先立つカウンセリングで経験のある症例・治療例の数について質問するのもおすすめです。
あなたの歯並びの状態に近しい症例の治療をしたことのある医師であれば失敗の恐れを低くすることができるでしょう。
またカウンセリング時はどんな小さなものでも構わないので疑問点はすべて解消しておきましょう。
あなたの中に疑問点が残ると途中でマウスピースの装着を中断することにもつながるので、すべてを知った上でマウスピース矯正に臨みましょう。
カウンセリング時にリスクを説明してくれる歯科医院
カウンセリングでは医師からマウスピース矯正についての説明を聞くことになります。その際にきちんとリスクとデメリットを説明してくれる医師は信頼できます。
反対にリスクとデメリットに関する説明がなく、マウスピース矯正の良い面ばかりを強調する医師には注意が必要です。
リスクが存在すること自体は変えようがない事実なので、そこを説明してくれる医師こそあなたが選ぶべき医師なのです。
このようにカウンセリングでは様々な点に注意を払う必要があるので、事前に頭の中を整理しておきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は値段をはじめとしてマウスピース矯正について幅広く解説しました。マウスピース矯正のメリット・デメリットから、歯科医院の選び方まで理解できたでしょうか?
以下は今回の記事のポイントです。
- マウスピース矯正は30万円~60万円程度で受けることができる
- マウスピース矯正のメリットとデメリットを正確に把握しておこう
- かみ合わせの問題、痛みの発生というリスクがある
- リスクを避けるためには技術と実績の高い医師を見つることが重要
メリットとデメリット、そしてリスクまで正確に把握することでマウスピース矯正は安価で矯正中も目立たない優れた矯正方法です。
医師との相談も含めて、マウスピース矯正があなたの歯並びに適しているか否か、改めて検討してみてください。