
受け口の治療はワイヤーを使った本格矯正をしなければいけないと思っていませんか?
お口の中の状態や程度によりますが、セラミック矯正でも受け口は治すことができます。
受け口とは
受け口とは本来、上の歯が下の歯よりも前に出た噛み合わせであるべきところが、反対の噛み合わせになっている状態を言います。
反対咬合、下顎前突、しゃくれ、とも呼ばれています。そんな受け口ですが、大きく2種類に分かれます。
歯が原因の受け口
歯が原因の受け口の場合は歯の傾き方や生え方の問題で反対に噛んでしまっている状態です。
セラミック矯正で治療可能です。
骨格が原因の受け口
骨格が原因である場合は上顎の骨が小さい、下顎の骨が大きい、前に成長しているといった骨のバランスが悪いことが原因の受け口です。
骨格が原因となる受け口の場合は、ワイヤー矯正だけではなく手術も必要となる場合があります。
セラミック矯正とは?
受け口の治療もできるセラミック矯正とはどのような治療法なのでしょうか。
セラミック矯正とはどんな治療法か
セラミック矯正とは歯並びが気になる部分の歯を削り土台を作り、セラミックでできた被せ物を被せることで歯並びを整える治療法のことです。
「矯正」という名前で呼ばれていますが「補綴」治療の分類です。
セラミック矯正のメリット・デメリット
セラミック矯正の主なメリットは治療期間が短く、自分の好きな歯の形や色調に整えられる点です。
デメリットは健康な歯を削る必要があることや、割れた場合には再製作が必要となる点です。
セラミック矯正の費用
セラミック矯正は保険適応外で自費治療となりますので医院によって材料費や技術料による差があります。
相場は1本6万円~13万円で、治したい本数分が費用がかかるというイメージです。
セラミック矯正の期間
通院回数は3~5回程度、2~3ヶ月程で治療が終了します。一般的な矯正治療では年単位となるのでここに大きな違いがあるのです。
受け口の治療にセラミック矯正を選ぶメリットとデメリット
受け口の治療法にはいくつかありますが、その中でもセラミック矯正を選ぶメリット、デメリットについて解説します。
受け口の治療にセラミック矯正を使うメリット
受け口の治療にセラミック矯正を使うメリットは以下の通りです。
- 治療期間が短く通院回数が少ない
一般的な矯正治療で受け口を治す場合、程度によりますが1年~3年かかります。
セラミック矯正の場合は2~3ヶ月とかかる期間が大きく異なります。
そのため、結婚式や人前に出る仕事のために早く歯並びを整えたいという方に向いています。
- 歯の形や色も決められる
人工物であるため、歯の色や形も自分好みにできます。
もちろん噛み合わせや口元のバランスに関しては歯科医師がアドバイスをくれるので、不自然な歯並びになってしまうようなことはないでしょう。
- 周りの人に気付かれにくい
矯正治療の場合ワイヤーを装着するため、見た目が気になるという方も多くいます。
しかし、セラミック矯正は治療期間が短く、歯を削った後も自然な仮歯を装着して過ごすので、実際は周りに気付かれにくいのです。
- 金属アレルギーでも心配ない
セラミックは非金属、無機物からなるため、金属アレルギーの方も安心して治療を行えます。
受け口の治療にセラミック矯正を使うデメリット
受け口の治療にセラミック矯正を使うデメリットは以下の通りです。
- 歯を削る必要がある
被せ物をするには自分の歯を土台にするため、健康な歯を削る必要があります。
健康な歯は削ってしまうと戻ることはないのでその点はしっかり考えて治療を行いましょう。
- 治療できない受け口もある
骨格が原因の受け口の場合、抜歯や骨の手術が必要となる場合もあります。それと並行してワイヤー矯正が必要となるためセラミック矯正では治療できません。
歯が原因の場合でも人によっては治療できない場合もありますので、セラミック矯正は万能ではないという点は覚えておきましょう。
- 保険適応外
矯正治療はほとんどが保険適応外です。セラミック矯正の場合も審美目的という文類になるため自費治療となり、費用が高くなります。
受け口の治療にセラミック矯正を活用しよう
受け口のセラミック治療は急いで歯並びを治したい方や芸能人のような白くてきれいな歯並びにあこがれる方、歯科医院にあまり通いたくない方におすすめできます。
そのような希望があっても、対応できない場合もあるということには注意しましょう。
受け口を治療すべき理由
受け口はやはり治療したほうが良いのでしょうか?そのままにしないほうが良い理由を解説します。
虫歯・歯周病予防
歯並びが悪い状態は、歯磨きがしにくく磨き残しから虫歯や歯周病が発生するリスクが高くなります。
歯並びを整えることで歯や歯茎の健康を守り、口腔の健康寿命を延ばせるのです。
顎の負担が減る
受け口の場合、噛み合わせが逆になっていることで顎に負担がかかっている場合があります。
治療を行い正しい噛み合わせにすることで、顎の負担が減り顎関節症になるリスクも下がります。
見た目が変わる
受け口の場合顎が前に出ているため本来よりも顔が大きく長く見えることがあります。そのため治療を行うことで顔の印象が変わります。
発音や滑舌が良くなる
受け口の噛み合わせが原因で、話すときに空気が抜けてしまったり発音がうまくできなかったりということがあります。
歯並びが改善されると舌の当たる位置も改善されて滑舌よく話しやすくなります。
全身の健康状態が良くなる
受け口であることでうまくものが噛み切れない方もいます。ちゃんと噛まずに食べ物を飲み込んでしまうと、消化器官負担がかり消化不良を起こすこともあるのです。
また、噛み合わせが原因で体全体のバランスが崩れ、肩こりが起きていることもあります。受け口の治療を行うことで口の中だけではなく全身状態を整えられるのです。
まとめ:受け口の状況を見てセラミック矯正を検討しよう
受け口を治すことは見た目だけではなく、お口や全身の健康状態にも良い影響を及ぼします。また、大人になってからでも治療は遅くありません。
今回はセラミック矯正で受け口を治すべき理由を紹介しましたが、受け口の程度によって最適の治療法は変わります。
メリット、デメリット両面を理解し、歯科医師と相談の上で治療法を選択しましょう。